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「やる夫は滅びゆく国で戦い続けるようです」

2013年07月11日 00時57分

資源は乏しいですが数十年間侵略されずにいた島国に、北方の強国が侵攻します。二国の国力差は歴然です。北の国は資源、兵力、人材全てで圧倒しています(北にはヤン・ウェンリー、新城直衛らやる夫スレ屈指の名将もいる!)。物語冒頭の会戦は、早々に島国の敗北となるのでした。

その戦いの中、ある傭兵部隊が果敢な行動で局地的な戦果を上げます。

部隊長がやらない夫で、作戦を立案したのがやる夫でした。彼らの働きは見事でしたが、しかし広い戦場の一コマにすぎません。戦局を覆すことはできず、ただ北の軍の優秀さと、自国の軍の力のなさを噛みしめます。

かの国はまさに「滅びゆく国」なのです。

そして序章の最後は次のくだりで締められています。

平和な田舎の島国に突如襲来した大陸からの侵略軍

国力の差を知りつつも祖国を守るために戦う人々

金の為に戦う傭兵

それぞれの思惑を胸に、戦争ははじまった

国家の趨勢においては人ひとりの人生なんて、一枚の木の葉のようなものです。ファンタジーにはそれらを跳ね返す超人の物語も多いですね。それは実に痛快です。強い存在 ---- チートキャラというのは、憧れちゃいますよね。でも、このお話の主人公たちは普通の人間です。あっけなく翻弄される存在です。

で、ありながら、彼らはしたたかです。

国の勝敗と個人の勝敗は同じでありません。傭兵の場合、国が負けても生き残って金を得ることが自身の勝利となります。理屈ではそうなのですが、だからと言って負ける側で戦うのは相応のリスクを覚悟しなくてはいけませんし、それに自身が属する国の浮沈を目の当たりにしても、自己と国を峻別できるほどアウトサイダーな人間はそういないでしょう。勝ち組になびくのは、生きるための当然の手段ですから。

ですが、それでもは、彼らは「滅びゆく国で戦い続ける」のです。

現在7話までで、次回が一つのターニングポイントになりそうです。続きが気になる作品です。

やる夫は滅びゆく国で戦い続けるようです